| 「肉離れは、ダッシュやジャンプなどのスポーツ動作中に,筋膜や筋繊維の一部が損傷され、その結果、急激な痛みを感じ、プレーの継続が困難となる状態。ただし、明らかに筋の断端を触れるものは筋断裂、打撲などによる直接外力によるものは筋挫傷とする。」
これが、肉離れの定義です。最近は、適切なウォームアップが定着しているので肉離れを経験した人は少ないかもしれません。しかし、「足がつる」ことは多くの人が経験したことがあるでしょう。「足がつる」は、いわゆる筋肉の機能障害で、多くの場合、アイシングやストレッチで治ります。しかし、違和感を覚えた筋肉を放置しておげば、肉離れや筋断裂に至ることもあります。肉離れは筋肉組織の損傷です。筋肉に傷がついているのですから、治るのに時間がかかるのは当然。大事な試合前にも出られない事になるかもしれません。また、一度肉離れを起こした選手が再発を繰り返す可能性はかなり高いのが現状で、十分な処置・指導を受けられていない場合が多いようです。
頻繁に「足がつる」人や肉離れを経験したことがある人は、ここでその原因と対策を考えてみましょう。
例:「A君は1ヶ月ぶりに練習に参加した。準備運動も満足にしないうちに、仲間とのボールゲームに参加。ボールを必死に追いかけるためにダッシュしたとき、急に針で刺されたような焼けるような痛みが、右太ももの前面に起こり、走れなくなった。歩くことはできるが走ると再び痛みが起こった。」
このように、肉離れは突然の激しい痛みを感じ、それ以上負荷をかけられなくなります。程度によっては針やナイフで刺されたように感じられることがあります。また、筋繊維の断裂が大きいほど鈍い感じになります。内出血のある場合は筋や筋膜の断裂が考えられます。
●原因●
ほとんどの場合、トレーニングや試合に対する準備が不十分・不適切であることが原因となって起こります。ウォームアップとストレッチは十分にする必要があります。また、真夏の暑いときに汗と一緒に筋肉が十分に機能するためのミネラルが失われたときは危険が高いようです。それから、筋が過度に疲労している場合、あるいは過度に乳酸が溜まっている場合。
その他には、体調が悪いことや足の形態の不良、体型の問題、体内の炎症(扁桃腺の化膿・歯根の炎症などの炎症性病巣、風邪による体力の低下)なども原因となる事があります。
そして、慣れない地面でのプレー、不適切なシューズも原因として考えられます。
●応急処置●
肉離れが発症した場合は、ただちにアイシングを行ってください。また、テーピングやバンテージなどにより圧迫・固定を行うと良いでしょう。肉離れによる内出血をいかに最小限にとどめるかによって、その後の回復が変わってきます。遅くても受傷の10分後には応急処置を!
1分の無駄が、回復を1日遅らせる事になるかもしれません。
●肉離れしてしまったら・・●
1週目;痛みの無い範囲でのストレッチの反復。患部以外の部位のマッサージ。
2週目;グラウンドでのウォーキング、ジョギング。徐々に強度を上げていく。
3週目以降;スプリント、コーディネーショントレーニング。痛みの無い範囲で!
痛みが治まるまでに重症度によって1〜3週間かかる場合があります。2週目以降のメニューはウォーキングでの痛みが無くなった時点で進めていきます。痛みを感じた場合は負荷を減らすか、1週目のメニューに戻します。
ランニングしても痛みが無くなれば、ボールトレーニングが開始できます。左右の筋力、柔軟性が等しくなれば通常の練習に参加できます。
●予防●
基本的なことですが、適切で丁寧なウォーミングアップ・ストレッチでかなり防ぐことができます。また、正しい栄養・適切な身体のケア・水分とミネラルの補充です。トレーニングシューズとスパイクの使い方・適正も見直してみましょう。
【寄稿者】 岡山県 女子U-15トレーナー : 清瀬 直子(理学療法士) |